超人的な働きマン
朝飯のパンケーキ食いながら考えていたこと。
うちのじーさんは演歌でCDデビューなどしてなかなか活発なのだが、今は亡きもう一人のじーさんも超人だった。
奈良の山奥に潜んでいたそのじーさんは、とにかく仕事が出来たらしく、地元の村人たちが知恵を借りに頻繁に訪ねてきたらしい。
ドラクエでいう村はずれの重要キャラであり、会話しないとフラグが立たないほどである。ときには村会議員など、政治家関係も来たとか。
そんなうちのじーさんは、とにかく早起きだったという。
朝の3時に起きて仕事を始めるらしい。
いやもうそれ朝ちゃうし深夜やん、と言いたくもなるのだが、やはり出来る男は超人的な朝活をしているのか、と深く考えさせられたりもする。
とにかく、よく働くのである。
常人には考えられない時間に目覚め、圧倒的な量の仕事をこなし、ストイックに日々を行き抜く様は、孫の僕にも印象的だった。
僕はそんなじーさんを素直にかっこいいと思うし、超人的なところに憧れを抱いたりもする。
しかしじーさんは僕が10歳のとき、病に倒れてしまう。
すでに癌は転移していて、余命あと僅かという病床でも、最後まで起業の計画を練っていたらしく、命が消える瞬間まで一旗あげようと企んでいたに違いない。
そしてその14年後。なんの因果か、孫の僕が起業を志し、会社を立ち上げたのである。
隔世遺伝なのかなんなのか分からないが、受け継がれる意志というのは確かに存在し、志半ばで力尽きたうちのじーさんをなんとなく想うこの頃である。
そういったものに想いを馳せるとまた少し、苦境の中でも踏ん張れる気がしている。
x-climb 飯降